〒105-0003東京都港区西新橋3丁目5-2 西新橋第一法規ビル3F
疑問にあがる設問にお応えします。
Part1. 老後の暮らしと相続への備え |
1-1 任意後見制度を知っていますか? |
1-2 葬儀後の手続きと届出 |
Part2. 相続の基礎知識 |
2-1 相続の流れはこうなっている |
2-2 法定相続人とはだれか? |
2-3 代襲相続人とはだれか? |
Part3. 相続税の基礎知識 |
3-1 延納申請は10ヶ月以内! |
3-2 物納も簡単ではありません! |
3-3 非課税枠のある生命保険 |
3-4 保険金のかけ方で税金の種類は違う |
Part4. 財産の評価と税の計算 |
4-1 絵画、貴金属など動産をどう見るか? |
4-2 ゴルフ会員権はどう見るか? |
4-3 生前贈与は加算されますよ! |
4-4 相税額が2割加算される人は? |
Part5. 贈与税の基礎知識 |
5-1 配偶者への贈与は優遇される! |
5-2 教育資金の贈与はこうなる |
5-3 暦年課税と相続時精算課税の違い |
Part6. 相続対策のポイント |
6-1 納税資金の確保にはさまざまな工夫が必要! |
6-2 2次相続を考えて検討する |
6-3 相続が発生する前にしておくこと |
Part7. 事業承継対策のポイント |
7-1 個人保証も相続財産になるのか? |
7-2 事業承継税制と相続税の納税猶予 |
認知症になると介護サービスの契約はもちろんのこと、預貯金の管理など、契約や財産管理に関することが出来なくなってしまいます。特に一人暮らしの場合は深刻です。
この対処方法としては、任意後見制度があります。まだ元気なうちに、自分の判断能力の低下に備えて、自分に代わって財産管理や契約行為を代理で行ってくれる人(任意後見人)を、前もって選び頼んでおくという制度です。
任意後見人には誰を選んでも自由ですが、任意後見契約には公正証書の作成と登記などの手続きがあります。詳しいことは市区町村窓口や社会福祉協議会、公証役場、弁護士・司法書士などの専門家にご相談を。
残された家族の方は右往左往します。あわてないためにこの小冊子をお渡ししておくのも一法です。
人が亡くなればそこに必ず「相続」が発生します。
まず、故人が遺言を残していないか、財産を相続する権利のある人が誰なのか確認します。
次に、亡くなった方の財産を確認します。
故人が、遺言を残していなければ相続人同士で財産の分け方を話し合います。これを財産分割協議といいます。
遺産分割協議が無事成立したら、それぞれが取得することになった財産を自分の名義に変更します。
財産の総額や取得する財産の種類により、税務署に相続税の申告が必要となる場合がでてきます。
相続が発生した時に、民法では相続人になることができる人は規定されています。この相続人になることができる人のことを法定相続人といいます。
配偶者は必ず法定相続人になります。次に子供が第1順位の法定相続人になります。子供がいない場合は、父母(直系尊属)が第2順位の法定相続人、子供も父母もいなければ、兄弟姉妹が第3順位の法定相続人となります。
養子は、実の親と養親の両方の相続人になることができます。ただし、特別養子の場合は実の親の相続権はなくなります。なお、相続税の計算にあたっては養子の人数制限があり、実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人までしか認められません。
亡くなった方を中心に、簡単でかまいませんので家系図を書いてみましょう。具体的には、配偶者、子供および孫、親、兄弟およびその子あたりまでの範囲で書いてみることをおすすめします。
血族の相続人には順位があります。第1順位の「子」がいない場合ですが、直ちに相続人の地位が第2順位に移るわけではありません。「子」が亡くなっていても、孫や曾孫などがいれば、その「子」の代わりに第1順位の相続人になります。これが代襲相続人です。
ただし、「子」が相続を放棄した場合は、孫や曾孫がその「子」の代わりに第1順位の相続人になることはなく、第2順位に相続人の地位が移ります。
同様に第2順位の「父母」がいない場合は、祖父母、祖父母がいなければ曾祖父母とさかのぼります。
最後に第3順位の兄弟姉妹が相続人になった場合、既に死亡していればその子供、つまり甥や姪が代わりの相続人になります。
相続税の現金での一括納付ができない場合には、一定の要件を満たせば延納が認められます。相続税の延納のおもな要件は次のとおりです。
延納でも相続税が納められてない場合には、一定の要件を満たせば相続財産そのもので納める物納という方法があります。
物納の要件は、次のとおりです。
第1順位:国債、地方債、不動産、船舶
第2順位:社債、株式、証券投資信託または貸付信託の受益証券
第3順位:動産
生命保険金と死亡退職金は、みなし財産として課税対象になりますが、相続人一人あたり500万円の非課税枠があります。
例えば、3,000万円の生命保険金がある場合に、法定相続人が2人であれば、500万円 x 2人 = 1,000万円が非課税枠となり、課税対象は2,000万円 (3,000万円 - 1,000万円)となります。
こうした非課税枠のある生命保険金を活用することによって、一定の節税効果を得ることができます。
非課税枠のある生命保険ですが、保険の加入者(甲:被保険者)、保険契約による保険料の支払者(甲または乙:契約者)と保険受取人(乙または丙)が誰かによって、発生する税金の種類が相続税、贈与税と異なりますので要注意です。
基本的には、相続税が他の税金よりも有利になりますが、加入の仕方を間違えると節税効果が得られなくなるケースもあります。まずは専門家にご相談することをおすすめします。
書画骨董品や貴金属については、売買の実例価額、専門家の意見などを参考にして評価します。
一般の動産についても、同様の評価方法ですが、その金額が明らかでない場合は、同種・同規格の新品の小売価格からある一定の比率によって算出して額(経過年数に応じた減価償却額)をマイナスした金額で評価します。
評価の単位については、通常1個または1組ごとです。家庭用動産で1個または1組の価格が5万円以下のものは、一括して1世帯ごとに評価します。
①取引相場のある会員権
取引価格の70%に相当する金額で評価します。取引価格に含まれない預託金等があるときは、その返還を受けることができる預託金相当額をこれに加算して評価します。
②取引相場のない会員権
株式制会員権は、課税時期において取引相場のない株式として評価します。預託金制会員権は、返還を受けることができる預託金相当額で評価します。
③プレー権のみの会員権
評価の対象にはなりません。
♢生前贈与加算
相続の開始前の3年以内に贈与された財産がある場合には、その贈与財産は相続税を課税する財産に加えて計算されます。3年以内であれば贈与税がかかっていたかどうかに関係なく加算します。
住宅取得などのために直系尊属から贈与を受けた資金のうち非課税を適用を受けた金額、教育資金のために直系尊属から一括贈与を受けた資金のうち非課税の適用を受けた金額などは加算しません。
♢贈与税の控除額はどうなる?
控除する贈与税額は、加算された贈与財産にかかわる贈与税の税額となります。加算税、延滞税、利子税の額は含まれません。